日本における人間工学の歴史は約100年を迎えました。製品や環境、サービスなどをデザインすることで、医療、交通、労働や日常生活のいたるところで、国民生活の質の向上に寄与するに至りました。しかし現在の人間工学は、ウェルビーイングを標榜しつつも、作業成績や品質管理といったパフォーマンスに目が向きがちです。本64回大会では、混迷する社会情勢のなかで敢えて正面からウェルビーイングに目を向けました。人間工学に留まらず、細分化する科学の枠組みを超え、未来に向けてウェルビーイングを論じるきっかけとなることを願っています。
特別講演、募集型シンポジウム、一般講演、企業製品デモ等を計画しています。一般講演ではポスター枠を増設し、若手研究者のみなさんも交流しやすいように考えております。また、全国大会ならではのステージでの口頭発表枠も実施する計画です。また懇親会は感染対策を万全にしつつも、千葉のおいしい味覚を味わっていただきたく、準備を進めております。本大会が、発表者にとっても参加者にとってもウェルビーイングにつながるように、願ってやみません。みなさまの積極的なご参加をお待ちしております。
日本人間工学会第64回大会
大会長 下村義弘