■第42回日本人間工学会中国・四国支部大会 特別講演

◇演題
「投影型複合現実感」

◇講師
大阪大学大学院基礎工学研究科
システム創成専攻システム科学領域
(大阪大学総合学術博物館兼任)
教授 佐藤 宏介 先生

◇概要
 仮想現実感(Virtual Reality)技術が進歩し、仮想世界の再現だけではなく、仮想世界と実世界とを有機的に融合させる複合現実感(Mixed Reality)の世界へと発展してきている。近年、投影プロジェクタの高性能化が進み、プロジェクタとカメラを組み合わせて複合現実感システムを構成するプロジェクタ・カメラシステム(Pro-Cams)が、一つの標準構成として成立しつつある。プロジェクタ・カメラシステムでは、ユーザはディスプレイデバイスを把持する必要がなく、投影される像のみを手掛かりに情報空間にアクセスすることができるため、ユビキタスコンピューティングに最も適したインタフェースとして着目されている。本講演では、掌に映像を投影し、指の操作だけで家電を制御する身体インターフェースや、机上の文書を仮想的に透明化して下層の文書へのアクセスを容易にするインターフェースなど、これまで演者が構築してきたプロジェクタとカメラを組み合わせる、種々の投影型複合現実感システムについて紹介する。

◇略歴
○1983年 大阪大学基礎工学部制御工学科卒業
○1985 年 大阪大学大学院基礎工学研究科制御工学専攻修士課程修了
○1988 年 工学博士
○1986 年 大阪大学基礎工学部助手
○1988 年−1990年 米国カーネギーメロン大学ロボット工学研究所客員研究員
○1993 年 大阪大学基礎工学部講師
○1994 年 奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科助教授
○1999 年 大阪大学大学院基礎工学研究科助教授
○2003 年 大阪大学大学院基礎工学研究科教授(現職)