◇概要
仮想現実感(Virtual Reality)技術が進歩し、仮想世界の再現だけではなく、仮想世界と実世界とを有機的に融合させる複合現実感(Mixed
Reality)の世界へと発展してきている。近年、投影プロジェクタの高性能化が進み、プロジェクタとカメラを組み合わせて複合現実感システムを構成するプロジェクタ・カメラシステム(Pro-Cams)が、一つの標準構成として成立しつつある。プロジェクタ・カメラシステムでは、ユーザはディスプレイデバイスを把持する必要がなく、投影される像のみを手掛かりに情報空間にアクセスすることができるため、ユビキタスコンピューティングに最も適したインタフェースとして着目されている。本講演では、掌に映像を投影し、指の操作だけで家電を制御する身体インターフェースや、机上の文書を仮想的に透明化して下層の文書へのアクセスを容易にするインターフェースなど、これまで演者が構築してきたプロジェクタとカメラを組み合わせる、種々の投影型複合現実感システムについて紹介する。
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