■第41回日本人間工学会中国・四国支部大会 特別講演

◇演題
「人工筋肉 ─医工連携における開発と臨床応用─」

◇講師
岡山大学病院総合リハビリテーション部部長
千田 益生 先生

◇概要
 高齢化社会の到来とともに,高齢者や身体障害者の自立支援や介護支援のため,人間親和型ロボットへの関心が高まり,人間に優しく安全なアクチュエータの開発が要求されています. ゴムを素材とした空気圧で駆動される空気圧ゴム人工筋肉は,代表的な空気圧ソフトアクチュエータであり,軽量かつ高出力という特徴があります.
 岡山大学では,安価なマッキンベン型ゴム人工筋肉を開発し,臨床応用の研究を行っています. 人工筋肉には,収縮様式・出力様式によって,収縮型直動ゴム人工筋,収縮型彎曲ゴム人工筋,伸長型直動ゴム人工筋,伸長型彎曲ゴム人工筋があります. 収縮型直動ゴム人工筋では,外径11.6mmのもので,600kPa加圧時に340N程度の収縮力が発生します. 人工筋肉の種類を選択して,立ち上がり支援,指の動きの支援(把持,ピンチ動作),歩行支援の研究を行っています. まだ製品化には至っていませんが,研究途上であり苦心している点などについて述べたいと思います.

◇略歴
○昭和58年(1983)3月  岡山大学医学部卒業
○昭和62年(1987)3月  岡山大学大学院医学研究科修了
○昭和62年(1987)4月  高知県立子鹿園医療係長
○平成 2年(1990)6月  岡山大学整形外科助手
○平成 5年(1993)4月  Australia Royal Perth Rehabilitation Hospital留学
○平成 9年(1997)4月  岡山大学整形外科講師
○平成11年(1999)4月  岡山大学医学部附属病院リハビリテーション部助教授
○平成16年(2004)4月  岡山大学病院総合リハビリテーション部部長