アクションプラン
2023年度報告及び2024年度計画について
2023年度の活動について
2023年度は一般社団法人日本人間工学会第8期(2022年6月~2024年6月)の2年目として,「人間工学のプレゼンス向上」という基本目標を掲げ,活動してまいりました.システムズアプローチを中心とした,時代に即した人間工学の考え方については,さまざまな場所や媒体にて発信してきました.2023年度最後にあたる,2024年6月に開催された日本人間工学会全国大会(千歳)では,デジタル庁からの登壇者を含む将来構想委員会企画シンポジウム「デジタル社会のアクセシブルデザイン」,JES60周年企画パネルディスカッション「『ヒューマン』と『工学』に関わる学術領域の将来を考える」をはじめ,さまざまな企画シンポジウムが開催されました.とくにJES60周年企画パネルディスカッションは,JES会員でありながら隣接領域の学会長(または学会長経験者)を務める方々をパネリストとして活発な討議を行いました.
また,学会主催の有料セミナーを研究部会と共催したり,若手支援委員会とともに若手会員の会員継続の一助となるような卒後2年間の準会員継続制度を設けたり,賛助会員がより学会に参加しやすくなるようなサービスの充実を図ったり,学会の活性化や会員向けサービスの充実に向けた取り組みを継続してきました.
2024年度の活動について
2024年度は第9期の1年目ですが,第8期を引き継いで「人間工学のプレゼンス向上II −情報発信と社会への浸透−」という基本目標のもと,活動を推進してまいります.以下は主な目標です.会員の皆さまが当学会の価値を感じられるような,日本人間工学会を目指します.
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社会との関わりの強化と発信
- プロジェクトの創設(厚労科研,AMED,ABW,子どもICT,ハンドブック…)
- 規格/標準化への積極的関与,会員の研究成果を標準化に導くプロセスの構築
- 省庁への積極的コミットメント
- 普及委員会の設置
- 理論と実践に関わるセミナー等の開催
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「理論と実践」サイクルの強化
- 学術委員会の設置
- 研究部会の在り方検討
- JESとBCPE-Jとの連携強化(PSE委員会)
- IEA PSE委員会との連携
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時代に即した人間工学応用領域の創出
- 将来構想委員会の設置
- IEA FoE委員会との連携
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容易に会員間情報交換可能な機会の提供
- 会員間コミュニケーション強化のプラットフォーム構築
- 若手支援委員会,企業活動推進委員会を引続き設置
2023年5月に新型コロナウィルス感染症が5類に移行したことで,現在はほぼ「コロナ前」の生活に戻りました.しかし,遠隔会議や在宅勤務が日常的なものになってきたように,コロナ禍を通じて大きく変わったこともいくつかあります.また,労働人口の減少や時間外労働の上限規制によって,一部の産業では働き方が大きく変わってきました.加えて,ChatGPT等を通じてAIが身近なものになるなど,技術の変化による仕事や生活のあり方の変化が感じられるようになってきました.このようなときこそ人間工学が求められるとともに,その必要性と重要性を示す大きなチャンスです.学会員のみなさん,あるいは関係者のみなさんとともに,「人間工学」を社会に発信していきたいと思います!
一般社団法人日本人間工学会2024年度 委員会/担当等一覧
委員会/担当名 | 担当・委員長・副委員長等 | 活動のポイント等 |
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総務担当 | 河合 隆史、申 紅仙 | 学会運営の執行管理、事務局機能の強化の検討 |
財務担当 | 横井 元治、吉村 健志 | 財務管理と学会財政に関する中長期計画等の提案 |
広報委員会 | 松田 文子、下村 義弘 | HPの運用推進、GPDBによる実践事例公開、人間工学の社会発信 |
編集委員会 | 村木 里志、近井 学 | 学会誌の編集と発行、電子投稿・査読システムの運用 |
国際協力委員会 | 持丸 正明、八木 佳子 | 国際人間工学連合・アジア人間工学デザイン会議等、国際協力活動の推進 |
ISO/TC159国内対策委員会 | 佐藤 洋、横井 孝志 | ISO/TC159に関わる規格の提案・作成・審議、JIS規格案作成と普及 |
表彰委員会 | 吉武 良治、國澤 尚子 | 表彰制度の見直しと整備、各賞受賞候補者の選考、国際表彰の推進 |
学術担当 | 加藤 麻樹、能登 裕子 | 日本学術会議との連携、科研費の細目要望 |
人間工学専門家認定機構 | 榎原 毅、仲谷 尚郁 | 認定・再認定実施、講演会・セミナー等の開催、GPDBへの協力 |
委員会/担当名 | 担当・委員長・副委員長等 | 活動のポイント等 |
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若手支援委員会 | 石橋 圭太、齋藤 誠二 | 学生や若手が学会活動に継続的に関わる活動や枠組みを検討 |
企業活動推進委員会 | 横山 詔常、井出 有紀子 | 企業活動や産学連携プロジェクトの見える化、活性化を検討、CPEJセミナーとの連携 |
国際誌検討委員会 | 榎原 毅、村木 里志 | 人間工学分野の国際誌の現状を調査し、今後の戦略を検討 |
普及委員会 | 松崎 一平、和田 一成 | 人間工学の普及、浸透を目的とした、社会向け情報発信やセミナー等の企画・実施 |
戦略・将来構想委員会 | 持丸 正明、鳥居塚 崇 | 産業変化に応じた人間工学の役割の検討および学会や行政に向けたその情報発信 |
PSE委員会 | 鳥居塚 崇、榎原 毅 | IEA改訂コアコンピテンシーに基づき、JESとBCPE-Jが連携しながら人間工学の教育、普及、実践のサイクルを確立することを推進 |
利益相反・倫理委員会 | 大須賀 美恵子、鳥居塚 崇 | 利益相反に関する規程の整備ならびに規程に基づく運用/当学会の倫理指針について国の指針と照合させるべく検討 |
人間工学研究標準化推進委員会 | 佐藤 洋 | 標準化活動の枠組みを活用した、JES会員が実施する研究の社会実装の促進および支援 |
第65回大会担当 | 小林 大二 | 2024年6月22~23日に大会開催 |
第66回大会担当 | 榎原 毅 | 2025年5月22~23日に大会開催 |
委員会/担当名 | 担当・委員長・副委員長等 | 活動のポイント等 |
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AMED | 榎原 毅、大須賀 美恵子 | 8学会合同によるデジタルメンタルヘルスの科学的知見の整備事業 |
厚労省科研 | 榎原 毅、鳥居塚 崇 | 5学会・研究会連携による陸上貨物運送業の腰痛予防ガイドラインの整備事業 |
人間工学事典発刊 | 鳥居塚 崇、榎原 毅 | 丸善出版から打診されている,「人間工学事典」発刊(企画,執筆,編集,発刊準備) |
ABW | 福住 伸一、兵頭 啓一郎 | ABW適用の際の人間工学的見地からの要求事項に関する検討および規格化 |
こどもICT | 柴田 隆史、岡田 衛 | 学校等の ICT 機器の使用に関する人間工学課題の検討と情報の共有、ガイドライン作成準備 |