アクションプラン
2010年度報告及び2011年度計画について
日本人間工学会理事長 斉藤 進
2011年7月
日本人間工学会(以下、学会)は、1964年に任意団体として設立され、2009年7月には一般社団法人として新たに第1期の活動を開始しました。学会は現在、2010年6月に北海道大学で開催した第51回大会時の第1回定時社員総会終結時から2012年6月に九州大学で開催予定の第53回大会時の総会までの間、第2期としての活動を行っています。
東日本大震災について
2011年3月11日午後2時46分、地球規模でも稀なマグニチュード9.0という巨大地震が東北地方太平洋沖で発生しました。東日本大震災による多くの犠牲者の方々に衷心より哀悼の意を表するとともに、一刻も早い被災地の復興を祈念申し上げます。
学会としても復興へ向け、学術団体として可能な限り貢献したいと考えております。震災直後には、学会メッセージ「被災者へのお見舞いと人間工学の役割」をホームページ等で発信するとともに、緊急意見交換会「今、人間工学専門家と学会は何をすべきか」での議論を専門家認定機構の会報27号で伝えています。同機構では、節電中の作業環境に関する配慮を文書で発信しています。学会理事会では、被災会員への年会費免除及び被災地での学術集会支援を決定しています。また、安全人間工学委員会では、福島原発事故の調査と責任追及について、最大限の教訓を得るためには人間工学視点が不可欠であるとした所見を公開しています。国際人間工学連合のImada会長からは、大震災に遭遇した人々の冷静沈着な行動と勇気から、被災地の復興を信じて国際社会は連帯しているという力強いメッセージが届けられています。私どもとしては、大震災の教訓に学び、今まで以上に素晴らしい文化と価値観を担う社会を構築することに人間工学が先駆ける象徴となることを目指して活動を行います。
2010年度の活動について
長期的に事業を行う常設委員会は、広報、編集、国際協力、ISO/TC159、表彰、日本学術会議、横幹連合、専門家認定機構等、各々の事業を積極的に推進することができました。設置期間を定め、成果を組織的に活用する臨時委員会は、薄型テレビ視聴ガイド、IEAにおけるGPDB及びCPE国際相互認証、子どもの人間工学、研究倫理、安全人間工学等を課題とした新たな活動を行いました。ニーズ対応委員会は広報と連携し、ホームページ充実等に貢献しています。人間工学を普及させる事業である公開講座は、2010年12月に関西支部大会に併せて開催することができました。
2011年度の活動について
常設委員会による事業を継続するとともに、臨時委員会として、薄型テレビ視聴ガイド、IEA/PSE活動支援、子どもを視座にした人間工学、Webによる情報発信戦略、企業の人間工学教育実践事例の集積、テレワークの課題整理と提案、等々の新たな活動を計画し実施しています。
2011年度に活動している委員会や担当等の一覧表を示しました。今後とも、学会が行う諸事業に対し、多くの方々のご協力とご支援を賜りますよう、改めてお願い申し上げます。
日本人間工学会2011年度 委員会/担当等一覧
委員会/担当名称 | 担当理事・委員長等 | 活動のポイント |
---|---|---|
総務担当 | 八田一利、外山みどり | 学会運営の執行管理 |
財務担当 | 三林洋介、岡田 明 | 財務管理と経費節減、学会財政に関する中長期計画等の提案 |
広報委員会 | 吉武良治、下村義弘 | HPの運用推進、GPDBによる実践事例公開、架け橋プロジェクト推進 |
編集委員会 | 小松原明哲、三澤哲夫 | 学会誌の編集と発行、査読の効率化と迅速化、HP充実と利便性向上 |
国際協力委員会 | 堀江良典、小谷賢太郎 | 国際人間工学連合・日韓共同シンポジウム等、国際協力活動の推進 |
ISO/TC159国内対策 委員会 |
横井孝志、吉武良治 | ISO/TC159に関わる規格の提案・作成・審議、JIS規格案作成と普及 |
表彰委員会 | 阿久津正大、矢口博之 | 表彰制度の見直しと整備、各賞受賞候補者の選考、HP開設と広報 |
日本学術会議担当 | 大須賀美恵子、 芳賀 繁、青木和夫 |
学術会議との連携拡充及び安全工学シンポジウム2011への協力 |
横断型基幹科学技術 研究団体連合担当 |
青木和夫、加藤象二郎、 酒井一博、山本栄 |
横幹コンファレンス、会誌「横幹」編集、産学連携、学会員への広報 |
人間工学専門家認定機構 | 青木和夫、福住伸一 | 認定・再認定実施、講演会・シンポジウム開催、GPDBやIEAへ協力 |
委員会/担当名称 | 担当理事・委員長等 | 活動のポイント |
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薄型テレビの視聴に 関する人間工学ガイド ライン検討委員会 |
窪田 悟 | 液晶テレビの省電力化及び視聴条件等に関するガイドライン策定 |
国際人間工学連合 PSE担当 |
藤田 祐志 | IEAにおけるCPE制度相互認証、GPDB教育利用等へのJES支援 |
子どもの人間工学 委員会 |
小松原明哲、江川賢一 | 生活者としての子どもを視座を置いた研究課題の明確化と情報発信 |
ニーズ対応委員会 | 榎原 毅、岩切一幸 | Webによる情報発信戦略展開と産学官民RDB整備、IEA/PSE支援 |
安全人間工学委員会 | 芳賀 繁、首藤由紀 | 関連研究部会との連携、東日本大震災への意見集約と表明等 |
企業の人間工学教育の あり方検討委員会 |
酒井一博、易 強 | 企業の人間工学教育実践例の集積、3年間を総括した報告書作成 |
テレワークガイド委員会 | 吉武良治、北島洋樹 | テレワークの健全な発展に資する課題整理と企画シンポジウム開催 |
選挙管理委員会 | 堀江良典 | 一般社団法人日本人間工学会代議員及び役員選挙の実施 |
文科省科研費担当 | 斉藤 進、青木和夫 | 科研費分科細目表へのフォローアップ、研究活性化を目指す提案 |
第52回大会担当 | 河合隆史 | 2011年6月6~7日に大会開催 |
第53回大会担当 | 栃原 裕 | 2012年6月9~10日に大会開催 |