1.2 益々活性化するTC159 | |
TC159の活動を1年間振り返るとやはり活発であることが特徴です。現在審議中の業務項目は91件あります。当便覧8頁の業務項目一覧表を見て頂ければ、全体が一瞥できますがこの1年間で進展があった業務項目に網掛けがしてあり直ぐにそれと判ります。 国際規格はこの1年間で5件増えました。ISO9241シリーズ「人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業」の「第4部:キーボードの要求事項」、「第5部:作業場のレイアウトと姿勢の要求事項」、「第7部:画面反射に関する表示装置の要求事項」、「第12部 情報の提示」、「第13部 利用者案内」、「第17部:空欄記入方式対話」です。FDISになった規格原案は7件、DISになったのは5件です。JIS化も意欲的に取り組み4件の原案を日本規格協会に提出しました。 ISO9241シリーズはほとんど最終段階に入っており国際的にはISO9241後の規格立案をどうするのか関心が集まっています。SC4CAG会議(委員長を支援する会議)が昨年2回ロンドンで開催され事実上ISO9241後の規格戦略会議を開きました。これまでの産業職場での安全、健康問題から更に拡大して一般の消費者製品や共用品の使いやすさの標準化問題に対応していこうとの積極的な意欲が特徴的な傾向です。 この春に100%の賛成で晴れて国際規格になったISO13407「インタラクシステムの人間中心設計過程」が認証制度を伴ってやってきたと、昨年は各界で注目を集めました。今度は4月中旬イギリスで行われたTC159総会でドイツが「製品ユーザビリティの評価法」と言う極めて一般的で常識的な、しかし重要な規格の提案を行いました。会場は好意的な反応を示し全員一致して新業務項目立ち上げの手続きをとることが決定されました。基本規格の性質が強いとの理由でSC1で扱うことになりましたが、国内的にはJENC中心で通産省の助言を得て広く産業界に働きかけ産官学共同で対応してゆく方針を決めました。 これらの事情を認識するにつけても欧米がそうであるように、規格の具体的実行には人間工学の知識を持ち専門性を有した人材が産業界各方面で広範囲に必要になります。そこで人間工学資格認定制度が有機的に結びついた制度として発展する必然性があるのです。 | |