9.6 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業
   −仕事の要求事項についての指針
(ISO 9241-2:1992のJIS対応)


JIS Z 8512:1995

規格内容概要: 本JIS原案は、ISO 9241-2 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals(VDTs)- Part 2 : Task requirements(1992)の翻訳規格である。VDTを用いた情報処理システムを利用する際に、そこで利用者が行う仕事のあり方について人間工学上の配慮を加え、利用者の仕事の遂行を促進するとともに、福利・安全・健康を損なわないことを目指している。従来のインタフェイス設計の視点からではなく、利用者が行うべき仕事の設計という視点を明確に打ち出している。モノづくりに関わる工業規格の中にこのような視座を明確にした規格が加わることは、記述が要求事項や勧告の形を取っていなくても今後に影響を持ち、意義のあることと考えている。

原案作成経過概要: 平成6年度に原案作成委託を受けて編成された21名の委員よりなる「日本人間工学会 JIS Z 8512原案作成委員会」により原案の審議を行い提出した原案に基づいて制定された。Taskを「仕事」と訳したが、他の、例えば心理学文献などには、課業、課題の訳が当てられている。「利用者が、そこで当面解決することを課せられているあるまとまりのことがら」といった意味合いの概念であるが、この用語に関して今後合意を形成して行きたい。原規格でも引用規格となっているISO 6385 Ergonomic principles in the design of work systems の日本人間工学会標準化委員会による翻訳「作業システム設計のための人間工学の原則」昭和57年との整合性を翻訳に当たって考慮した。

矢頭 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998