6.2 人間工学−作業姿勢の評価

ISO/CD 11226
Ergonomics −Evaluation of working postures

規格内容概要:本規格はSC3(人体計測と生体力学)/WG2(作業姿勢)で審議されている。作業に伴う筋骨格系の疲労や障害を防ぐことを目的に、不自然な姿勢の回避や関節角度に 制限を設ける内容となっている。具体的には、

1)体幹のひねりの回避
2)体幹前屈の制限
3)首のひねりの回避
4)首の前屈の制限
5)上腕の不自然な姿勢と肩挙上の回避
6)上腕挙上の制限
7)肘の極端な屈曲/伸展、前腕の極端な回内/回外、
  および手首の不自然な姿勢の回避
8)膝の極端な屈曲、足首の極端な底屈/背屈、および膝曲げ状態での直立の回避
9)座位での膝関節角度の制限

などが盛り込まれている。
特に2)、4)、6)についてはその許容角度が決められ、その許容範囲内においてさらに許容持続時間が設定されている。

審議経過概要:上記の規格案はオランダを中心に作成されたものである。現在、この原案をもとに審議が継続中である。1995年にはCD投票が行なわれ、その後、各国のコメントを盛り込む作業が継続して行なわれている。改訂CD案が完成次第、DIS投票が行なわれる予定だが、その時期は未定である。

日本の対応:この規格案に対して、日本は前回のCD投票で反対票を投じた。日本の姿勢評価方法との相違や、規格案の有効性が明確でないなどの理由によるものである。これに対して、1997年には改訂CD案に向けた継続作業の中で、反対していた日本への規格案の詳細説明がオランダよりなされた。同時に、規格案について改めて日本の同意を求めてきたが、まだ日本としては上に述べた反対理由が十分払拭されたわけではない。しかし、規格制定を遅らせるよりは、完璧とはいかないまでもとりあえず規格をスタートさせ、不具合が見つかれば速やかに是正していくという考え方をとることで、日本も規格制定に向けて協力していくことになった。

岡田 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998