5.11 人間工学−平面型表示装置の使用−平面型表示装置の人間工学要求

ISO/DIS 13406-2
Ergonomic requirements for work with visual displays based on flat panels−Part 2 : Ergonomic requirements for flat panel displays

規格内容概要:2部構成のISO 13406シリーズ規格の具体内容を規定したものである。CRTディスプレイに対し、主な違いとしては、CRTは光学的に等方性であるのに対し、非等方性(観視角によって輝度、コントラスト、色合いが異なる)であること、画像の表示速度の遅さ、画素欠陥の規定が追加されている。また ISO9241シリーズ規格では、9241-3から9241-7や9241-8 が派生したが、本規格では9241-7及び 9241-8に相当する内容を含み、フラットパネルディスプレイプレイの要求を本規格に集約している。

審議経過概要:本規格は、1990年6月のSC4ベルリン会議で、ISO/DIS 9241-3が可決されるとともに、フラットパネルディスプレイには、その特性上必ずしもISO 9241-3が適用できないとして、9241-3の追補として作成することが決定し、フィンランドと日本が原案作成を期待されたが、結局米国の主導で規格原案の作成が行われた。1993年9月のSC4つくば会議で9241-3の追補から独立したシリーズ規格とすることが可決され、現在のISO 13406シリーズの第2部となった。1995年10月に第3回CD投票で可決され、1996年3月、5月、9月、1997年3月とWG2内でDIS原案の審議を行った。1997年12月にDIS投票が行われ、測定方法が複雑すぎること、必要でない要求が入っている(これらは国内で測定研究会を実施し、DIS規格の規格としての有用性を調べ、課題を検出し、問題提起)ので反対投票とした。しかし、賛成多数で可決し、今後1998年5月14日からSC4/WG2会議で、FDIS案が検討される。また、測定方法についてはDMG(ディスプレイ測定会議)がVESAとの共催で、1998年5月18日SID会場で開催し、検討される。

日本の対応:日本は第1回CD投票、及び第2回CD投票でJIS X 6041をベースに輝度とコントラストの相互作用を規格に入れるよう要求し第3回CD案に日本案が盛り込まれた。また画素欠陥の規格の見直しを行い、改善を行った。さらに漢字表示(アジア文字:画素数の多い文字)についても、必要性を訴え、DIS原案に入れる事ができた。

中野 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998