5.10 人間工学−平面型表示装置の使用−序論 ISO/DIS 13406-1 Ergonomic requirements for work with visual displays based on flat panels−Part 1 : Introduction. | |
規格内容概要:2部構成のISO 13406シリーズ規格の序論である。オフィス作業に必要な人間工学的要件は、平面型表示装置(FPD)もCRTディスプレイなど他の表示装置も同一である。したがって本規格は、本来ISO 9241シリーズでカバーされるべき内容であったため、まずFPD専用規格として独立することになった経緯や理由を述べている。具体的な内容としてはFPDの定義を明確にしており、CRTディスプレイとの主な違いを概観している。主な違いとしては、CRTは光学的に等方性であるのに対し、非等性(観視角によって輝度、コントラスト、色合いが異なる)であること、画像の表示速度の遅さなどを揚げている。ISO 9241シリーズはオフィス作業に限定していたのに対し、ISO 13406シリーズはオフィス作業に限定していない。 審議経過概要:1996年2月に第1回CD投票で否決され、1997年3月に第2回CD投票が行われた。その結果、Pメンバー20カ国中14カ国が投票し、13カ国の賛成で可決した。現在、1998年6月22日期限で第1回のDIS投票にかけられている。 日本の対応:日本は第1回CD投票で、人間工学規格は技術で分類するのではなく、9241シリーズのようにタスクで分類すべきという、将来ヘ向けての根本的な問題提起を行った。問題の重要性が認められ WG2からSC4へ議論の場が移され、1996年9月のSC4ストックホルム会議にて、すぐに変更はできないが、今後の9241-3の改訂に合わせて 9241-3,-7,-8 及び 13406-1,-2 の再構成を検討することが WG2に課せられた。これで実質的には日本の提案は受け入れられた。よって1997年3月の第2回CD投票では、日本はSC4 ストックホルム会議の結果を受け入れるコメントを付記し、賛成投票を行った。1998年6月期限のDIS投票については現在検討中であるが、いまのところ大きな反対理由は見当たらない。 | |