5.7 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−直接操作対話

ISO/DIS 9241-16
Ergonomic requirements for office work with visual display terminals(VDTs)−Part 16: Direct-manipulation dialogues

規格内容概要:直接操作対話とは、仕事に用いる何らかの要素を表現する画面上のオブジェクトに対して直接ポインティングデバイスなどを用いて働きかける形で仕事の遂行に必要な操作を実現していく対話手法である。GUI環境で利用可能な対話手法であり、今後多用されていく重要な手法である。内容構成は、メタファの利用、オブジェクトの表示方法、フィードバックの利用法、入力機器の操作などからなる。規制項目を持たない勧告規格ではあるが、検討対象の直接操作対話が勧告事項にどれほど沿っているものであるかを査定する適合指標値を求める手続きが、附属書として盛られている。

審議経過概要:
WD 9241-16(1993-01-11 WG5 N248)
WD 9241-16(1993-03-29 WG5 N256)
        第23回ベルリン会議(1993-01-25/28)の議論を元に修正
CD 9241-16(1993-05-01 WG5 N265/4)
        日本:反対投票。賛成12、反対4で要改訂
CD 9241-16.2(1994-07-12 WG5 N306)
        投票用紙届かず後追い投票、賛成9、反対6で再度要改訂
CD 9241-16.3(1995-10〜1996-02-02)
        日本:賛成投票。賛成14、反対1 DISへ移行承認
DIS 9241-16(1997-01-30〜1997-06-30)
        賛成17/17、反対0/23。FDISへ移行
FDIS 9241-16(1997-10-01 WG5 N410)
        FDIS投票用原案、投票依頼は未着である

日本の対応:直接操作の定義をめぐって多くの議論があった。「実世界の実体の操作に似せて、画面上のオブジェクトを直接に操作する対話方式」と定義して、画面操作と実世界の操作の自然な対応付け手法に規格内容の重点を移すという意見があったが、代案としての原案提出までの具体的行動に結びつかなかった。

森川 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998