5.6 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−情報の提示

ISO/DIS 9241-12
Ergonomic requirements for office work with visual display terminals(VDTs) −Part 12: Presentation of information

規格内容概要:本Partでは、VDT上での文字ベース及びグラフィカルベースの情報の提示に関して人間工学的な原則を提供する。各対話方式固有の側面はPart 14 〜17でそれぞれ扱い、本Partでは対話方式に依存しない共通項目を扱う。また色の利用に関しては、情報の強調、分類のための符号化法としての側面だけを扱っている。さらに聴覚的な情報提示も除外している。内容構成は、情報の構造化、グラフィカルオブジェクト、符号化手法となっている。「見やすく、理解しやすく、操作に適して、誤解しにくい情報の提示」を実現するための指針となる設計・評価上の勧告を内容としている。規制項目を持たない勧告規格ではあるが,検討対象の対話の情報提示の側面が勧告事項にどれほど沿っているものであるかを査定する適合指標値を求める手続きが、附属書として盛られている。

審議経過概要:
WD 9241-12(1993-01-12作成WG5 N249)
        第23回ベルリン会議(1993-01-25/28)で議論
WD 9241-12(1993-10-29作成 WG5 N273)
        第26回ロンドン会議(1994-01-24/28)で議論
CD 9241-12(1994-02-02作成 WG5 N281)
        第27回ボストン会議(1994-04-21/24)で議論
CD 9241-12(1994-06-01〜1995-01-31作成 WG5 N315)
        投票結果 賛成10、反対5
CD 9241-12.2(1996-07-25〜1996-10-25)
        投票結果 賛成12、反対4 DISへ移行
DIS 9241-12(1997-06-19〜1997-11-19)
        投票結果 賛成21/22、反対1/29 FDIS投票へ移行決定
FDIS 9241-12(1998-02-21作成WG5 N428)
        投票用原案、投票依頼は未着である。

日本の対応:原案は欧米文化圏を主対象とするためラテン文字テキストの「横書き、左から右書き、大文字小文字に加え太字体・斜字体などの文字修飾あり」という暗黙の前提があった。国際規格として縦書きのような別文化でも適用可能な形にする必要があり、この点に関する修正作業に日本は多く係わった。

森川 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998