5.2 人間工学−機械設計に必要な開口部寸法
   −第1部:身体全体で近づいて作業する場合の開口部寸法決定の原理


ISO/DIS 15534-1
Ergonomics−Access dimensions for the design of machinery −Part 1:Principles for determining the dimensions required for openings for whole body access into machinery

規格内容概要:欧州規格(CEN)のEN547-1(1996-12)“Safety of machinery -Human body measurements-Part 1:Principles for determining the dimensions required for openings for whole body access openings”「機械の安全ー人体計測ー第1部:身体全体で近づいて作業する場合の開口部寸法決定の原理」の世界規格版。作業中機械操作のために作業者が全身で機械本体に意識的又は無意識的に接近しても安全を保証するために機械設計者が守るべきゆとりの最低寸法を系統的に取り決めている。ヨーロッパ人向けの寸法値は日本人に整合しないが考え方、項目や決定原理などは我々にも意味のある設計指針となる。

審議経過概要:ISO としては原案を審議する通常の手続きをとる時間のないままにウィーン条約に基づくCENとの併行投票でいきなりDIS投票に進む事をタンペレのSC3総会(1997-6)で決定した。投票期間は1998-4-16 開始、1998-9-16期限の6ヶ月投票。この規案はもともとDIN規格に端を発しており、旧SC6/WG4に登録されていたが、SC6が解体され、この業務項目はSC3に吸収された。SC3の幹事国アメリカの都合で活動が停滞している間に、欧州勢は待ちきれずCENでの単独審議に踏み切って今日に至る。その後、日本が幹事国になってSC3活動が正常に復帰したときにはCENは既に規格制定を終えていた。ISOとしては積み残した業務項目であり、投票で継続の可否を採ったら審議すべきと判断した。内容的な議論をしないでCENとISOの間で形式的な整合化を計ろうとしている。

日本の対応:JENC はSC6/WG4当時、エキスパート登録をして審議に積極参加する意志をPメンバーとして唯一国際的に公式表明していた。このような形態では欧州は投票に関心はないはず。実質的に日本とアメリカがどう反応するかである。

堀野 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998