3.2 精神的作業負荷に関する人間工学の原則−一般的用語及び定義

ISO 10075-1:1991
Ergonomic principles related to mental work-load -General terms and definitions

最近の作業では身体的負荷から精神的負荷へと比重が移行しており、ISO 6385 「作業設計における人間工学の原則」の用語の定義の中にはとりあげられていなかった精神的作業負荷の部分に関する用語を細かく定義している。精神的負荷(mental stress)は「外部から人間に対して及ぼし、かつ精神的に作 用する評価可能な影響の全体」と定義されている。また、精神的負担(mental strain)は「精神的負荷によって個人の内部に直ちに起こる影響(長期にわたる影響ではない)であって、各人の対処様式を含み、 個人の習慣及びその時の条件に依存するもの」と定義されている。さらに精神的負担の影響として、促進的効果と減退的効果、その他の効果に分けられている。減退的効果は疲労と疲労様症状に分けられ、回復のために休養などの時間のかかるものを疲労、作業者のおかれている状況が変化すればすぐに消失するものを疲労様症状と定義している。この疲労様症状には、単調感、注意力低下、心的飽和が定義されている。

青木 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998