3.1 作業設計のための人間工学の原則

ISO 6385:1981
Ergonomic principles in the design of work systems

1981年に制定された規格であり、作業設計の全般的な原則を規定している。1991年改訂をめざして見直し作業を行ってきたが、幹事国(イギリス)議長の死亡や湾岸戦争などの予期しない事態があり、 作業は大幅に遅れた。1992年2月に草案作成の最終会議が開かれ、同3月に原稿が一応完成したが、CEN(欧州規格)との整合性の調整に手間取り、いまだにCD案は承認されていない。

ISO 6385 の改訂作業の重点は、作業システム設計の基本指針の大幅な改訂と、作業システムの評価を新たに設けることであった。作業システムの設計では、新たに総論を設け、作業システム設計の目的として作業者の安全、健康、well-being が優先されること、さらに作業によって生ずる健康障害(negative health)を防ぐだけではなく、より積極的な健康へのよい影響(positive health)を促進 することが目標として示された。また、最適な作業条件として、作業の要求水準を人間の能力に合わせて下げるだけではなく、作業の中で人間の能力を向上させることによって要求の相対的水準を下げるようにすべきであるとの考えも盛り込まれている。また、用語の定義の中に「人間工学」を新たに加えた。

青木 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998