1.7 熱心な CEN(欧州規格)と協調 | |
SC3は日本が幹事国(議長:井谷徹[名古屋市立大学医学部教授]事務局:鈴木一重[人間生活工学研究センター専務理事])になって以来、集中的にまとめ役と事務局機能を果たしてきた。1997年6月のタンペレに於けるSC3総会で棚卸し的な未処理の業務項目を投票で継続か否かを問うた。その結果、大半は継続することになったが、実はCENでかなり先行していることが判った。そこで ISO側と CEN側で調整を行い、実質的には1つの業務項目を除いてウィーン条約に基づいてCEN主導で運営することになった。 その一つとはコンピュータマネキン関連規格のことで通産省指導で活動中の国内活動成果を国際規格原案として提案しようとしている。そこで積極的に参加することにし、筑波大学足立和隆先生をISOからCENへのリエゾン・エキスパートとして登録し活動を開始した。これは期待出来る分野である。SC3に限らずISO/CEN協調路線は実務的にはCENの色が濃く出過ぎて色々問題もあるが軌道に乗りつつある。CENには感謝すべき所もあるし、専横的な所もある。形と中身のバランスが重要だ。 EU連合はとにかく熱心でウィーン条約の下、ISOはCEN(欧州規格)と連動させ罰則規定扱いで域内貿易振興の基盤になっている。日本を含むアジアに域内規格は存在しないが、今後北米・欧州と対等に付き合うためには人間工学を含めて、アジア規格構想を各国に提案する必要があろう。 このような環境にあって日本は昨年20回の会議に代表を派遣し規格原案審議に出席した。延べ出席者数は40名で、その内海外での会議出席者数は28名だった。日本人はほぼすべてのSC/WG会議に顔を出し、出席率は徐々に良くなっている。が、旅費の安定補助を得ることが依然大きな課題であることに相違はない。 専門を生かした学会員の審議への積極的参加と、関係者各位のご理解とご支援、ご協力を更に期待している。 | |