1.Pメンバーになって20年を迎えました | |
ISO/TC159国内対策委員会委員長 青木和夫 |
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ISO/TC159は1975年に設立された専門委員会であり,日本は1986年に投票権を持つPメンバーとなりました.これと同時に,日本人間工学会は通産省工業技術院(当時)より国内審議団体として委託を受け,学会内にISO/TC159人間工学国内対策委員会を設置しました.それ以来,ちょうど20年が経過したことになります.この間,多くの皆様のご支援をいただいたことに深く感謝申し上げます. 最近のISOの規格作成作業で問題となっていることは,完成までの時間がかかりすぎるということです.そこで,規格作成時間を短縮するためにスケジュールが厳しく管理されるようになってきました.最近では新規提案から3〜5年以内に完成しなければならないことになっています.一方,審議を早く進めるために資料や投票の電子化も進められてきています.ISOではLiveLinkというシステム上に審議資料を掲載し,登録したエキスパートはIDとパスワードを使ってこの資料をダウンロードすることができるようになってきました. 投票については日本ではe-jiscというシステムを使ってDISとFDISの投票を行っています.これは国内対策委員会の投票責任者(TC159は委員長)がWeb上で投票案を工業標準調査会(JISC)に送り,日本としての投票はJISCが行うもので,電子化によって労力と時間がたいへん節約されるようになりました.また今年の6月からSCの担当するCDや見直し投票なども一部のSCで電子化されることになりました. このように,審議や投票の効率化がはかられていますが,規格が完成するまでには多くのプロセスを経なければならないため,時間と労力がかなり必要とされます.このような状況は日本だけでなく参加メンバー各国でも同じような問題を抱えているようです.審議の効率化もこのような事情から押し進められているものと思われます. 一方,会議を開いて話し合うということにも海外の多く人たちと交流ができるというメリットもあります.メールのやりとりだけだと厳しい内容になりがちですが,実際に会って話をするとお互いにうち解けることができてすんなりと受け入れられたりすることもあります.会議はヨーロッパで行われることが多いのですが,できるだけ日本でも国際会議を多く開くというのが今後の課題かと思います.そのためにはアジアの諸国にも参加と協力を呼びかけて行く必要があると考えています.よろしくご支援いただきたくお願い申し上げます. | |