1.ISO/TC159人間工学国内対策委員会の新たな組織について
ISO/TC159国内対策委員会委員長
青木和夫

 2001年4月より,堀野定雄前委員長を引き継いで私が委員長を務めることとなりました.それまでは,SC1の主査として主に作業システム設計と精神的作業負荷の規格にたずさわっておりましたが,今度は人間工学の規格全体を見てゆかなくてはならない立場になりました.

 委員長を引き受けるにあたり,委員会の組織を少し変更させていただきました.組織構成にはあまり大きな変化はありませんが,今まで神奈川大学にあった事務局は日本人間工学会事務局に置きました.対外的には日本人間工学会がTC159に関する国内の対応窓口ということを明確にしたいと考えたためです.委員会内部の運営に関する事務は委員長である私のところで行いますが,実務のほうは以前より委員会のお手伝いをしていただいていた梶山麻美さんにお願いし,名称も事務局と区別できるよう秘書室としました.

 TC159は以下の4つのSC(分科委員会)からなっています.
  • SC1;作業システムに関する規格
  • SC3;人体の計測と生体力学に関する規格
  • SC4;人間とシステムの関わりに関する規格
  • SC5;人間と環境に関する規格
新しい組織では,これらの各SCごとに仕事のとりまとめをお願いすることとしました.TC159の取り扱う規格が100件近くになり,私がすべてを把握することは不可能に近いと考えたからです.各SC主査にはたいへん大きなご負担をおかけすることになってしまいましたが,すばやい国際的対応の必要なISOの業務に対処するためにはSCごとに独立して動いていただいた方がよいかと考えています.

 ISOに関する活動はよくわからないという声を聞きます.その原因はいくつか考えられますが,何といっても英語で書いてあることと,規格が番号で表されていることが大きな原因ではないかと思います.実際,規格の番号を言っただけでその内容がわかるのは,規格の作成に関わった人でないと無理かもしれません.その番号を英語ですらすらと言えて一人前なのでしょう.番号でなく,内容を短く表現した通称をつけるなど,わかりやすくする工夫をしてゆきたいと思います.また,この便覧の他に,委員会の扱う規格を簡単にまとめたパンフレットも作成しました.この便覧同様,ホームページからダウンロードできますのでご利用いただければ幸いです.

 この便覧は,ISO/TC159のすべての規格についてその概要を紹介してあります.索引はありませんが,コンピュータ上で検索していただければ目的の規格がみつかると思います.また,ISOのホームページでは規格の検索をすることができますし,電子ファイルで規格を購入することもできます.どうぞご利用下さい. 


ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Oct 30, 2002