第3回:「人間工学研究で用いる生体指標測定:眼球運動測定 」
■開催日時 2016年3月4日(金) 17:30~20:30
■開催場所 名駅オフィスパーク名駅プレミア会議室307
■参加者 13名
ヒトは、網膜の中心窩とよばれる視力の最も優れた場所に焦点を合わせることを目的に眼を素早く動かします。眼球運動の解析によって、ヒトが視覚情報をどのように取り込んでいるかがわかります。これらのデータから、見やすい視覚表示要件の設定や適切な視環境の評価が可能となります。本講座では、眼球の解剖生理、視覚の基礎、眼球運動の計測および解析手法について、アイマークレコーダを用いて紹介します。
講師プロフィール
博士(医学)、博士(工学)、三重大学大学院工学研究科博士後期課程修了。
専門は人間工学、労働科学、看護人間工学。VDT作業の人間工学的研究、看護における人間工学に従事。
JES理事・東海支部支部長。
概要
本講座では、人間工学研究で多く利用される眼球運動計測の基礎について、眼球の解剖生理から視覚情報処理の基礎を最初にご講義いただきました。また、視機能の計測の三大機能として、眼球運動、瞳孔運動、調節作用を説明され、いずれの計測における利点・限界について解説いただきました。また、注視点の解析については様々な定義が存在するものの、具体的なこれまでの人間工学研究への応用事例を基に分かりやすく解説いただきました。
本講座後半では、株式会社ナックイメージテクノロジーのご担当者による最新の眼球運動測定機器のご紹介および実演を行いました。
モバイル型のアイマークレコーダーの最新機種EMR-9の実演の他、キャリブレーションフリーの視線計測装置EIVIR ACTUSの実演をしていただきました。
大阪・新潟・東京・三重など、遠方からもたくさんご来場いただき、大変盛況の講座となりました。
受講者アンケート結果
講座内容の満足度については、90%の方が非常に満足・満足と回答いただいております。また、講座内容の理解度についても、約7割の方は非常に良く理解できた・理解できたと回答頂きました。
下記は自由記入コメントです。今後の測定技法講座の運用に役立てて参ります。
■本日の講座に関するご質問・ご意見など
・講座の内容(プログラム)の詳細は事前に伝えていただけると助かります。
・興味深い講義、製品紹介であった。
・もう一度改めてデモ説明を聞いてみたいと思った。
・近赤外の目への影響について、もう少し詳しく教えてもらいたかった。
・動画解析の利点、課題について、もう少し詳しく教えてもらいたかった。
・EMRを用いた研究で海外ジャーナルに発表されているものがあれば知りたい。
・視線計測については、あまり理解が出来ていなかったため、とても分かりやすく理解が深まった。
・様々な分野でのデータの扱い方を取り扱っていて、参考になりました。
■今後の講座企画に対する要望・意見など
・過去の講座のビデオ視聴を可能なようにしてほしい
・脳機能評価(NIRS、FMRI)などの測定方法について学びたいです。
・本日受講して、改めて前回のような動作の情報をどう調理していくかといった応用のようなものもあればと思いました。