日本人間工学会東海支部2015年研究大会開催報告

大会長 山根 基(愛知みずほ大学)

開催概要

2015年11月14日(土)に愛知みずほ大学において,日本人間工学会東海支部2015年研究大会が開催されました。午前には若手人材支援企画および一般発表の2セッションが行われ,午後には特別講演,一般発表の6セッション,ならびに懇親会が行われました。参加者は,会員27名,一般(非会員)17名,院生・学生34名,合計78名でした。

一般発表は,計8セッションで行われ,いずれのセッションでも非常に興味深い発表および活発な質疑応答が行われました。本稿では個々のセッションの詳細については記しませんが,一般発表の題目等,当日のプログラムについては,本大会Webページ(https://www.ergonomics.jp/local-branch/tokai/c-meeting-guide/698)をご参照ください。

なお,一般発表のうち若手研究奨励賞への申請者は14名であり,最優秀奨励賞として前畑健太氏(名古屋工業大学・学生),優秀奨励賞として久保春佳氏(三重県立看護大学・学生),田中優美氏(新潟国際情報大学・学生),安井玲二氏(名古屋市立大学・学生)がそれぞれ受賞されました。最優秀奨励賞受賞者の受賞コメントを報告書の最後に掲載いたしました。

名称未設定 1特別講演(上写真)は,愛知みずほ大学副学長・大学大学院人間科学研究科特任教授である佐藤祐造氏により「生活習慣病の予防と運動-糖尿病を中心として-」と題して行われました。佐藤氏からは,糖尿病とはどんな病気なのか,糖尿病に対する身体運動の効果,運動処方の実際について分かりやすく説明いただきました。糖尿病に関するいくつかの症例を紹介され,如何に糖尿病が怖い病気なのか改めて実感することができました。その予防,改善には身体活動が重要であり,運動やスポーツだけでなく,普段の生活活動から身体活動量を増やす取り組みが重要であるということ,そして身体活動量の増加のために歩数計などの機器の活用が有効であるということについても講演いただきました。

若手人材支援企画は,「シリーズ:実務者・初学者のための人間工学測定技法講座」と題して,東海支部会員の講師陣が各種測定法やデータ解析等について,主に実務者・初学者を対象に分かりやすく解説するシリーズ講座の第1回目として実施しました。今回は,「人間工学実験のための生体機能測定入門」と題して,人間工学的な製品設計や産業労働における作業負担などの評価指標として用いられる生体機能について,その測定方法と評価,解析等についての講座内容としました。講師には,横山清子氏(名古屋市立大学大学院)と松岡敏生氏(三重県工業研究所)の2名に担当いただき,前加者は,院生・学生および企業の方を含め25名となり,皆さん熱心に測定技法の説明を聞きながら,実際に測定機器を使用することで,今後の研究活動に活用できる知識を得ようと真剣に参加されていました。講師の先生方のご協力により参加者の皆さんにとって有意義な講座となったと強く感じることができました(下記レポートも参照ください)。

【若手人材支援企画レポート】
https://www.ergonomics.jp/local-branch/tokai/c-r-list/912

夕刻には,懇親会を開催し21名の参加者があり,交流を図りながら楽しい時を過ごすことができました。
最後になりましたが,本大会を開催するに当たり,大変お世話になりました東海支部役員の方々ならびに当日の学生アルバイトの方々に心より感謝申し上げます。

最優秀奨励賞受賞者の受賞コメント

最優秀賞・前畑この度は,最優秀奨励賞にご選出していただき,誠にありがとうございます。選考して頂いた先生方,お世話になっております皆様方に厚くお礼申し上げます。本研究はモーションセンサを用いたインタフェースの研究であり,今回の発表ではセンサの設置距離についての発表を行いました。現在,聴講して頂いた皆様からのコメントを活かし,研究に取り組んでおります。やりたいこと,自分が楽しく,学んでいることを評価して頂けたこと,大変喜ばしく思います。今後より一層の精進を致します。ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

前畑健太(名古屋工業大学工学部)