毎年恒例の若手人材支援企画!
2015年度は「実務者・初学者のための人間工学測定技法講座」の第1回を兼ね、盛会に開催されました。
第1回:「人間工学実験のための生体機能測定入門」
■開催日時 2015年11月14日(土) 9:30~10:50(東海支部2015大会内)
■開催場所 1号館3階 304教室
■参加者 24名(定員20名)
人間工学的な製品設計や産業労働における作業負担などの評価指標として用いられる生体機能について,その測定方法と評価,解析等について紹介する講座です.
講師プロフィール①
横山 清子(よこやま きよこ)
名古屋市立大学大学院 芸術工学研究科教授。工学博士。研究領域は,生体信号処理・情報工学など。
講師プロフィール②
松岡 敏生(まつおか としお)
三重県工業研究所 プロジェクト研究課主幹研究員。博士(工学)。研究領域は,繊維工学・感覚計測など。
概要
前半は,横山清子先生に最初に生体機能測定入門として30分ほどご講義いただきました。
人間工学研究で利用される生理機能の測定項目には、筋電図(作業による筋負担の評価)、エネルギー代謝率、皮膚電位・発汗量、脳波(覚醒水準の評価)、フリッカー値(覚醒水準)、心拍数(作業負担・ストレス反応)、眼球調節時間・眼球運動・瞳孔径など、多様な測定手法があることを概観しました。
また、生体電気信号を測定する際に問題となる、ノイズの原因と除去方法や増幅器のこと、さらにフィルタの周波数特性やアース設置のことなど、実用的なポイントを数多くご紹介してくださいました。
後半は,心電図,筋電図のそれぞれについて,実際の測定を交えながら機器の使い方から電極の貼付位置・方法など、詳細に解説いただきました。
参加者の方に実際に筋電図の電極を装着してもらう体験型の実習となりました。電極貼付位置の皮膚の油脂分を除去する下処理から、筋電図波形の見方、また、波形の基線が太くなった波形(交流雑音)の注意点(機器のアースをとらないと60Hz付近の交流電源のノイズが乗る)や、基線が揺れている波形の注意点や、また測定部位の選定方法や測定結果の比較方法(正規化の方法)についてもご紹介いただきました。
当初の定員を上回る24名の参加があり、参加者からも「次回さらに詳しい実習を開催してほしい」との声も頂きました。
若手人材支援企画の運営組織(コーディネータ)
- 白井克佳、渥美文治、神田幸治、榎原 毅(若手育成担当)