日本人間工学会東海支部 若手人材支援企画2014

毎年恒例の若手人材支援企画!
2014年度は「企業が求める学生像、学生が知りたい企業のこと」と題し、盛会に開催されました。。

話題提供1.「企業が求める学生像-大手製造業のエンジニアからの私見-」
某自動車メーカーエンジニア、JES東海支部若手育成担当役員による講演内容

  • 大手自動車メーカーで長年にわたり人間工学業務に携わってきた渥美様に、「人間工学の学生/専門家は企業に必要なのか」という命題について、ご自身の社会人経験をもとにご講演頂きました。ご自身のキャリアのスタートは、産業衛生の担当者として姿勢重量点評価や筋電図測定などを通じて、製造ライン作業者の作業負担軽減に取り組まれてきました。その後、自動車デザインに関する人間工学、すなわち見やすいメータの設計や乗降性評価、ドライバーの眠気測定の研究などに従事されてきたことを紹介いただき、「企業に人間工学の学生/専門家人材が活躍できる場がたくさんあることをご紹介くださいました。
    また、話題の後半では、大学で学んだ知識だけでは仕事にならず、学会で知り合った多くの先生方に教えを請い、就職してから多くの専門知識を学んできたことを披露されました。学会などの人脈を作ることの大切さ、そして幅広い工学の基礎力として物事の原因をロジカルに考える事ができる力を身につけてほしい、と熱く語られたのが印象的でした。
話題提供2.「学生が知りたい企業のこと」
これから就職活動を控えている学生さんが疑問に思っていること、諸先輩方に聞きたいことについて、事前に学生自身で調査をしてもらいました。名古屋工業大学の高田さんにランキング形式で発表をしていただいたところ、下記のような質問がフロアに投げかけられました。
第一位:卒業研究以外に今やっておくことは?
第二位:社会人の一日の過ごし方は?
第三位:学生時代に学んだ知識で活かせること?
第四位:失敗から立ち直る方法は?
第五位:モチベーション維持の方法?
それら話題提供の後、フロアの方々を交えた参加型討論会を行いました。質問・回答頂いた方には適宜粗品もプレゼントされ、フロアにいる企業の専門家や様々な大学の先生方から名答・珍答?を多く頂き、とても活気に溢れた討論会となりました。参加学生の感想は下記をご参照ください。
参加学生の感想

  • 参加者に対し、本企画について回答してもらった(回答数:33名)。回答者の約半数が「大変ためになった」、約4割が「ややためになった」と回答し、全体の9割近くから高い評価を得られた。

 

[3]参加者の声(感想、一部抜粋)
  • 【名城大学・修士1年】若手人材支援企画において、自動車製造メーカーのエンジニア様から”企業の求める学生像”についてのお話をいただきました。将来企業で働く際に、今学んでいる人間工学を活かせるのか疑問に感じる部分もありましたが、今回のお話を聞いてそれを活かす場は十分にあることを知りました。ただし、人間工学に限らず、学生時代に学んでいたことを直接活かせるようなことは稀で、むしろそれを学ぶ過程で得る”基礎力”が重要になると同時に、学生に求められているのだと教えていただけたことは今後、就職活動をするうえで非常に参考になりました。
    最後に、このような場を企画していただきありがとうございました。
  • 【名城大学・修士2年】職場で人間工学の知識がどのように活かされるのか、イメージできた。また、社会人として働く上で大切なことを質問コーナーで知ることができたため、来年以降活かしていきたいと思った。
  • 【名古屋工業大学・学部4年】アクアのデジタルメーターはすごく良いと思った。運転中にメーターをみるのが今田に怖くて(初心者)困っていた。行動力がすごいと思った。「学ばなければ」という意欲の下、学会でネットワークを作っていたというところで、特にそう思った。粗品の渡し方が上手すぎます。
  • 【名古屋工業大学・学部4年】大変ためになりました。特に渥美先生の話は心に残りました。人生いつも勉強、ということを念頭において、これからの人生を歩んでいこうと思います。
  • 【名古屋工業大学・学部4年】特別講演のスポーツビジョンの話しは共感することができ、興味深かった。社会人の昼ご飯は学生とあまり変わらないのが残念と思った。
  • 【名古屋工業大学・学部4年】渥美文治さんの話は、これから社会人になる自分にとってとても有意義でした。学生の質問、それに対する答えも良かったと思います。

  • 【名古屋工業大学・学部3年】渥美先生の話で、人間工学と仕事のつながりを知り、この分野に大変興味がもてました。

  • 【名古屋工業大学・学部3年】やりたい事が見つかっていないが、産業衛生の話をきいて少し道が広けた感じがしました。

  • 【三重大学・修士2年】渥美先生のお話の中で、事象の原因をロジカルに考察、突き詰める力が重要という話があった。まさにその通りで、何かを求める力はこれから社会人になる自分に必要な事であると思った。ありがとうございました。

  • 【三重大学・修士1年】基礎知識より、学んだ事を使える能力を鍛えるべきというのが印象に残りました。また、会社で上に進むほど主体的に行動しなければならないというのがとても気になりました。私は積極的なほうではなく、自ら行動できるか不安だからです。よって、これから主体性を意識して行動していきたいです。

  • 【三重大学・修士1年】今回の公演を聞かせて頂いて、最も印象に残った言葉がありました。それは、’知識ではなく、事象の原因を突き詰める力が必要である’です。ただ、工学の専門知識を身に付けて社会に出てのでは、上手くやっていけないと感じました。そのため、大学院での生活の中で、ロジカルに考える意識を持って、研究に取り組んでいきたいと思います。また、この若手人材支援企画は、非常に貴重な話を聞ける機会だと思うので、今後も続けて、行って頂きたいと思いました。

  • 【三重県立看護大学・学部4年】 人間工学が実際にどのように企業の中で活かされているか知ることができました。働いている方々の生活や仕事内容、仕事への思いを実際に聞くことができ、貴重な体験となりました。看護学部のためあまり他の分野の仕事内容を知る機会がないため、おもしろかったです。

  • 【三重県立看護大学・学部4年】 学生から社会人の先輩方への質問で、社会人のかたの1日の動きを知れたことが勉強になった。また、車を作る際たくさんの研究をされており、今まで当たり前のように乗っていた車への関心が強まった。

 

若手人材支援企画の運営組織
コーディネーター
白井克佳、渥美文治、神田幸治、榎原 毅(若手育成担当)