人間工学測定技法講座 第6回レポート

 

第6回:「温熱的指標とその測定:体温と熱放散の指標」

■開催日時  2016624日(金) 16:0019:00
■開催場所  三重県立看護大学(JES57 回大会会場)講義棟2階 講義室1
■参加者   15名
人体は、代謝により熱を産生するとともに環境との間で熱を交換して深部体温を37℃に維持しています。体温は、ネガティブ・フィードバック調節されるため、体温調節を評価するためには、体温と体温調節反応を把握する必要があります。本講座では、各種の体温や発汗量、皮膚血流量などの熱放散量に関係する指標の測定に触れ、その意義や原理、測定の上の注意点を学びます。

講師プロフィール

大西 範和
三重県立看護大学教授 博士(医学)
中京大学大学院体育学研究科修士課程修了。
専門は環境生理学。
JES 東海支部役員。

 

yamane山根 基
愛知みずほ大学講師 修士(体育学)
中京大学大学院体育学研究科博士課程満期退学。
専門は運動生理学。
JES 東海支部役員。

 

 

概要

06-1講座の前半は、1時間程度で座学として、温度受容器や体温調節中枢など身体の体温調節系の基礎知識や体温測定の意義などについて概説するとともに、体温、発汗量、皮膚血流量の測定法を紹介しました。体温については、サーミスタ温度計や赤外線放射温度計などによる測定、発汗量については、全身発汗量を体重減少量として評価することや、換気カプセル法による局所発汗量の測定、皮膚血流量については、水銀封入ラバーストレンゲージを用いた静脈阻止法、レーザードップラー法やビデオマイクロスコープ法による測定をとりあげ、その原理や測定意義についてお話ししました。

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講座の後半は、人工気候室に移動して実際の測定を体験していただきました。体温の測定では、サーミスタ温度計を用いて鼓膜温と皮膚温を、レーザードップラー血流計を用いて指尖と前腕の皮膚血流量を測定しました。センサを装着しながら、そして実際に得られた波形や数値を見ながら、センサに必要な特性や形状の工夫、装着方法や測定上に留意点、測定する部位による違いや値の変化が示す意味について概説しました。ご参加いただいた皆様の熱意が強く感じられ、実際に測定する場面での疑問点など随所で頂いた様々なご質問により、とても実践的な講座となりました。

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