GP-127 聴覚障害者や外国人向け緊急通報システムをスマホ・アプリで実現
改善前
改善後
改善事例概要
改善事例概要(改善前)
聴覚障害者は手話を使うが,消防署員は理解出来ない。この課題解決のため、救急現場での対話を解析し、言葉ではなくアイコンで表示して対話ができる冊子を数千部作成し病院などに配備していた。
改善事例概要(改善後)
最近は聴覚障害者の方々も、対話手段としてスマホを活用しているので、上記の冊子をスマホ上のアプリとして搭載を試行した。スマホには自身の氏名・住所・掛かり付け病院等必要事項を入力しておき、火災、救急などの119番通報が、音声ではなく、アイコンタッチで迅速に通報ができる。通報位置は、スマホ内のGPSにより直近の消防本部に通報が届く仕組みにした。さらに現場へ到着した隊員とは、スマホ上に表示された負傷部位・症状・程度のアイコンで、患者の状態を示すことが出来る。また消防本部からスマホに、止血、心肺蘇生法の指示を送ることも出来る。
人間工学的配慮視点
第一通報に関しては、実際の通報者と消防本部の指令卓との音声による状況を解析して、必要最小限の対話を抽出し、それを言葉ではなく直感的なアイコンで表示し、回答方法もYes/Noで単純化した。実際の評価実験で、有効性ではアイコン表示でゴールを明確にした。また実際にスマホから文字を送信する形態に比較して、約5倍の効率性が上がったことを確認した。実験後の満足度のヒアリングでは、すぐにでも使いたいという意見が多かった。
期待される効果
3.11の震災時も多くの障害者が情報から取り残されることが多く、問題となった。2020年のオリンピックでは、多くの障害者の方々も参加するので、ユニバーサルデザインの観点からも、このようなシステムが活用される機会は広がることと思われる。なお本研究は、今年度の第56大会で発表した際には、NHKの手話ニュース845の取材も受けた。
第56回大会で発表の様子
評価結果データ
日本人間工学会第56回講演集原稿
推薦者
吉武良治
お問い合わせ
- 企業名・担当部署名
沖コンサルティングソリューションズ株式会社 テクノロジーチーム
- 担当者名
細野 直恒
hosono903@oki.com
- 更新日
2015年12月10日