GL-107 薄型テレビの人間工学設計ガイドライン
ガイドライン概要
概略
家庭におけるテレビの視聴実態と、最新のディスプレイ技術を考慮した上で、視聴者にとって快適で好ましい薄型テレビの表示条件、視聴条件に関するガイドラインをまとめました。
本ガイドラインは、次の8つの設計要因から構成されています。
(1)表示輝度、(2)黒レベルの輝度、(3)輝度コントラスト、(4)画面の白色点(色温度)、(5)観視距離、(6)画面の設置高、(7)画面の傾斜角度、(8)視野角
対象利用者・活用場面など
テレビジョンに関連する技術者(ディスプレイ、画像処理、画質評価、テレビセット、品質保証などを含む)が、テレビ視聴者にとって好ましく、快適な視聴を実現するために参照し得る薄型テレビの人間工学的な設計・開発の指針を提供します。また、コンテンツ制作、放送に関連した技術者に対しては、コンテンツの制作や放送に あたって参照し得るテレビ視聴の実態と視聴者が好適とする視聴条件についてのデータを提供します。さらに、テレビユーザーに対しては、家庭におけるテレビの視聴条件を設定する際の指針を提供します。
使い方の説明
ガイドラインを利用する際に、視聴環境と視聴条件の実態、視聴者の年齢による違い、個人差による要求値のばらつき、表示される映像による違いなどをできる限り考慮できるようにしています。ただし、個々の設計要因について示した最適値は、あくまでも人間工学的な観点からの開発目標です。製品企画や技術上の制約の中で可能な限り達成を図っていただければ幸いです。
ガイドラインを使うことによる利点、期待される効果など
本ガイドラインは、家庭における薄型テレビの視聴実態と多元的な実験室実験に基づいて策定されています。実環境、実使用条件を考慮した薄型テレビの人間工学的な設計・開発の指針となります。多様な視聴者特性と視聴条件の組み合わせの中で、本ガイドラインに基づいて、個々の視聴に適合したディスプレイの表示特性を実現すれば、省エネで、視覚負担が少なく、快適な視聴がもたらされます。
活用事例・文献・URLなど
<ガイドラインのURL>
以下のWebページにて公開しています。日本語版,英語版とも無料でダウンロードできますので、ご利用ください。
https://www.ergonomics.jp/product/guideline.html
<主要文献>
(1) 岸本,窪田,鈴木,久保田,三澤,山根,合志,今井,五十嵐,松本,芳賀,中枝:家庭の視聴環境に即した液晶テレビの最適表示輝度,映像情報メディア学会誌,64巻,6号,pp.881-890,2010
(2) Matsumoto.T., Kubota.S., Kubota,Y., Imabayashi,K., Kishimoto,K., Goshi,S., Imai,S., Igarashi,Y.,Haga,Y., Nakatsue,T.:Survey of Actual Viewing Conditions at Home and Appropriate Luminance of LCD-TV Screens, Journal of the Society for Information Display, Vol.19, No.11, pp.813-820,2011
(3) 窪田,岸本,合志,今井,五十嵐,松本,芳賀,中枝,馬野,小林:液晶テレビの好ましい観視距離,映像情報メディア学会誌,65巻,8号,pp.1215-1220,2011
(4) Igarashi,Y.,Kubota,S., Takemoto,M.,Kishimoto,K., Inoguchi,K., Yamamoto,Y.,Matsumoto,T.,Haga,S., Nakatsue,T.:Investigation on viewing angle requirements and glare with respect to size of flat-panel television displays,60-3, International Symposium of the of Society for Information Display 2012(SID2012)
推薦者
認定人間工学専門家 労働科学研究所 北島洋樹
お問い合わせ
- 企業名・担当部署名
エルゴデザイン研究所
- 担当者名
窪田 悟 様
kubota@kubota-labo.com
- URL
- 更新日
2012年04月09日