GL-104 ユーザビリティ定量化チェックリスト
ガイドライン概要
概略
弊社は京都産業大学と連携、システムの使い易さを客観的に評価可能とするチェックリスト評価手法を構築しました。
ユーザビリティの基本的な要件84項目について、評価内容を手順化し、判定の基準を明確化することにより、評価者の裁量や知見による結果のぶれを抑制し、客観的評価を可能とするチェックリストです。評価結果を「学習し易さ」、「エラーの少なさ」、「記憶し易さ」、「効率性」の4つの観点で出力します。
対象利用者・活用場面など
主に製品の開発・改善に携わる開発者の方が利用されることを想定しています。ユーザビリティの知見の有無は問いません。ただし、最低限の知識として、本チェックリスト付属の用語定義集や、評価対象システムのマニュアルやヘルプ記載の情報を参照していることを前提としています。
また、評価者による勘違いや確認漏れを最小限とするため、複数名での利用を推奨します (3名以上を推奨)。
使い方の説明
本利用時には先ず、評価対象(範囲)を決定して下さい。システム全体をまとめて評価する他に、特定の作業・機能に関する画面群や一画面を評価対象とすることができます。評価範囲が大きくなると、評価作業に必要となる工数が増加することになりますので、必要に応じて評価範囲を定めるようにして下さい。
本手法では、項目ごとに評価手順や評価事例を記載しています。評価手順に従い、問題がある箇所の有無を確認して頂くことで、項目ごとに「問題なし」「問題あり」「該当なし」のいずれかの判定結果を得ることができます。
同梱のエクセル版チェックリストに評価結果を入力頂くことで、「学習し易さ」、「エラーの少なさ」、「記憶し易さ」、「効率性」の4つの観点で結果を出力します。
ガイドラインを使うことによる利点、期待される効果など
評価時の属人性をできる限り排除することにより、客観的な評価が可能になります。これにより、より確実な製品改善プロセスの実施や、信頼性をもった製品の有効性のアピールが可能なることが期待されます。
また、製品ごとの要件にあわせて、「学習し易さ」、「エラーの少なさ」、「記憶し易さ」、「効率性」のいずれを重要視するかによって、効率的に改善項目を選定可能となります。
活用事例・文献・URLなど
- 池上,岡田,吉坂,福住: ユーザビリティ定量化手法の提案(1) 評価者による結果のぶれを排除するチェックリストの構築, 情報処理学会第70 回全国大会(2008).
- 岡田,池上,吉坂,福住: ユーザビリティ定量化手法の提案(2) チェックリストの有効性検証実験, 情報処理学会 第70回全国大会(2008).
- 池上,岡田,福住: ユーザビリティ定量化手法の構築 (1)客観的評価を行うためのチェックリストの構築,第51回ヒューマンインターフェース学会研究会(2008).
- 岡田,池上,福住: ユーザビリティ定量化手法の構築 (2)チェックリストの有効性検証と品質向上,第51回ヒューマンインターフェース学会研究会(2008).
図表ファイル・参考資料ファイル
推薦者
認定人間工学専門家 福住伸一
お問い合わせ
- 企業名・担当部署名
NEC 共通基盤ソフトウェア研究所
- 担当者名
池上輝哉
t-ikegami@ct.jp.nec.com
- URL
- 更新日
2009年12月22日