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人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-105 白物家電を中心とする音声案内を搭載した家電商品

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概要
製品の概要

いわゆる白物家電製品である炊飯器、電子レンジ、IH調理器、洗濯機などを中心とするユニバーサルデザインの考え方にもとづく音声案内を搭載した商品。搭載した商品としては多岐にわたり、毎年新商品が出ますが、この事例は「家電商品における音声案内のありかた」を探求したことに関するものです。

人間工学的配慮視点

声質、話速、音量、文の長さ、など音声案内の基本的な要件の適切なありかたを包括的に研究し基準化を図る活動です。何回もモニターや社員での調査を行い、その分析結果を踏まえて各要件の数値化や考え方を音声案内ガイドラインとしました。それによって異なる商品(=事業場)で同時期に質が高く統一性のある音声案内を混乱無く導入することができました。特に好感度に重きをおいたことが人間の心理に与える影響からすると特徴的な配慮視点だと言えます。その結果20以上の商品カテゴリーでの音声案内機能の搭載が実現しました。ユニバーサルデザインの有効な手段として正面から取り上げ、一気に展開できたことは画期的と言えるかもしれません。音声は必要以上に発すればわずらわしい面がありますが、商品個々のニーズに応じた内容を必要に応じてしゃべるという工夫・努力をしていますのでそうした懸念を払拭できていると思われます。実際アンケートでも各商品共総じて好評に推移しています。

開発秘話

担当者写真

家電製品の音声案内に直接役立つ参考資料もほとんど無い中で、社内でもどこがこの仕事をするのかどの部門も二の足を踏む中で手を挙げ、素人同然でありながら手探りでガイドライン化に取り組みました。その中で特に話速の基準化にあたっては途中暗礁に乗り上げた感がありました。検討を重ねた結果、基準とする文章における最適な速度を何度もの実験から判断して数値化して基準としつつ、実際にはその音声ファイルの再生に重ね合わせてナレーターが発声して基準とする要件を満たす感覚・調子を整え、次いで必要な案内文を発声して収録するという方法を採用しました。その繰り返しによって基準に沿わせるという感覚的ですが現実的な方法を併せて導入することにより現時点での妥当な方策として打開出来ました。


評価結果データ

(2006/8/22日本人間工学会 第1回 聴覚コミュニケーション研究会での口頭発表予稿)

推薦者

認定人間工学専門家 西山憲治

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更新日

2011年09月07日



 


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