ホーム >  人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰 > グッドプラクティスデータベース一覧

人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-102 身体障害者・高齢者に対応したコンピュータシステム

画像

概要
製品の概要

情報処理機器の発展と普及には目覚ましいものがあるが、それらの大半は健常者が設計しているため,身体障害者や高齢者には人間工学的に使い難い機器となっている。本システムは、ハード面とソフト面からのアプローチを行い身体障害者や高齢者に使いやすいシステムを提供する。ハード面としては、障害者や高齢者はダブルクリック・ドラッグ操作が苦手であるため、手や腕を大きく動かさず指先でボタンを押すだけで、ダブルクリック・ドラッグを可能とする装置を開発した。ソフト面においては、マウスの移動距離が少なくて簡単に文字入力ができるソフトキーボードを開発した。

人間工学的配慮視点

ハード面において、一度押すだけでダブルクリック(文章中のダブルクリック動作,ウィンドウの最大化・最小化など)、または、ドラッグ(ウィンドウの移動など)を実施でき,ドラッグはもう一度押すことで解除できる。ソフト面では、画面上の上下左右キーを押すことで文字を入力でき、マウスの移動距離を短縮することで簡単に文字入力可能となった。表示文字を50音順・アルファベット順にすることで、ローマ字入力用キーボードより馴染みやすい構造となっている。また、入力モードボタンを設け、クリックする度に「英字」「ひらがな」「カタカナ」「数字」の順でモードが切り替わり、視認して理解しやすい表示とした。アプリケーションの起動も簡便に実施できるようにした。

開発秘話

身体障害者用装置は必要に応じて開発され、個別性・特異性が高いため一般に高価であり入手が困難です。特に、特殊な入力装置を必要とする重度身体障害者の多くは,自分に適した機器を整備するのに多くの時間と資源を要します。本システムは、富士通と協力して、まず、筋ジストロフィーを有する大学聴講生のために開発を行いました。ハード面においては、技術移転が可能となりましたので、パソコン操作に習熟した障害者や高齢の初心者に、パソコンに着脱可能なダブルクリックボタン機能を搭載した装置(携帯可)を提供するなど、幅広い展開が可能となっています。また、ソフト面のソフトキーボードは汎用性が高く、入力しやすいと利用者から高い評価をいただきました。ソフト自体は、1枚のCDへの保存やダウンロードが可能な容量で、広範な障害者・高齢者の方々にお使いいただきたいと思っております。


評価結果データ
推薦者

認定人間工学専門家 小野 雄一郎

お問い合わせ
企業名・担当部署名

藤田保健衛生大学医学部公衆衛生学

担当者名

飯田忠行 様

e-mail

iida@fujita-hu.ac.jp

更新日

2011年09月07日



 


ページのトップへ