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人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-165 豪雨災害等における復興作業の負担を軽減するショベル

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概要
製品の概要

 近年頻発傾向にある豪雨災害後の復興作業においては、重機の利用が困難な場合が多く、住宅街等に流れ込んだ大量の土砂をショベルや一輪車を用いて人海戦術で除去しなければならず、多大な労力が必要となります。こうした復興作業現場における土砂除去作業の負担軽減を目的として、復興作業用ショベルを開発しました。

人間工学的配慮視点

 豪雨災害後の復興作業においては、身体的負担の大きさにかかわらず迅速な処理が必要とされます。従来のショベルを用いた土砂すくい上げ動作は、作業姿勢が悪く、その姿勢を繰り返し行うため、相当負担が大きいものでした。そこで柄部を特徴的なZ型の曲げ形状で構成することで作業姿勢の改善を図り、また、すくい部を薄肉化、穴あき形状にすることで徹底的な軽量化を行い、従来品と比較して約25%の軽量化を実現しました。この薄肉化と穴あき形状により、土にささりやすく、土離れも良くなっており、使いやすさが向上しています。
 評価試験については、土砂を想定した5kgの砂袋をショベルのすくい部に乗せ、すくい上げを繰り返す動作において呼吸代謝計測試験を実施しました。その結果、従来品と比較して作業負担の指標となる酸素摂取量が約13%減少することが確認できました。
 作業負担の軽減により、自衛隊等のプロフェッショナルにおいては復興作業の迅速化、ボランティア等の不慣れた人においては過負荷による怪我・事故の防止や、疲労軽減等につながることが期待できます。

開発秘話

 柄部を曲げ形状にすれば作業姿勢は改善する方向に働きますが、土砂除去作業は土砂への差し込み~すくい上げ~一輪車・土のう袋への積載と一連の動作が想定され、柄の曲げ位置や曲げ角度、製品の重量バランスが使いやすさに影響します。すくい上げ時の姿勢改善だけを重視した柄形状では一輪車への積載時に姿勢が悪化し、また、重量バランスを重視したすくい部の軽量化には耐久性とのトレードオフが伴います。そのため、負担軽減と使いやすさ、耐久性のすべて満たす最適な形状の構成に至るまで試作、検証を繰り返し、非常に苦労しましたが、開発品にはこうした苦労を経た工夫が込められています。


評価結果データ
特許・意匠登録番号

意匠登録第1709091号、1709092号

推薦者

広報委員会

お問い合わせ
企業名・担当部署名

浅香工業株式会社 商品部 企画開発課

担当者名

森 雅宏

e-mail

m.mori@asaka-ind.co.jp

その他連絡先

室蘭工業大学 大学院工学研究科 もの創造系領域
 吉成 哲  yoshinari@mmm.muroran-it.ac.jp
北海道立総合研究機構 産業技術環境研究本部 工業試験場 産業システム部
 前田 大輔  maeda-daisuke@hro.or.jp

掲載URL

https://www.asaka-ind.co.jp/products/shovel_scoop/square_shovel/000367.html

製品発売時期

2021年7月

更新日

2023年12月18日



 


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