GP-156 手話への抵抗感をやわらげるコミュニケーションの提案
改善前
改善後
改善事例概要
改善事例概要(改善前)
手話は、健常者にも馴染みのあるジェスチャーや、ダジャレが語源となったものが多く、健常者にも馴染みやすい、ユーモアのある言語である。しかし、そのことはあまり知られていない。手話に関する意識調査(鳥取県福祉保健部、2014)では、手話を学びたくない理由として、「手話を覚えても使うことがないから」に次いで「難しそうだから」「手話を学習する時間がないから」が多い。この調査から、実際以上に難しく、手間がかかりそうに感じられていることが、手話に対して忌避感をいだかせているのではないかという示唆を得られた。
改善事例概要(改善後)
動画(https://youtu.be/Tc9Wjhz7LRQ)で関心を高め、リーフレットで知識を深め、インタラクティブデジタルサイネージで体験するという流れを持った学習方法を提案した。展示による評価でおおむね良い結果が得られた。
人間工学的配慮視点
できるだけ文字情報を減らし、顔と手のみで構成されたイラストを使うなど、整理された画を見せることで、ノイズの少ないコミュニケーションを心がけた。直感でわかりやすくすることで、効果的に体性感覚に訴えかけられるよう工夫した。
期待される効果
手話に潜む面白さやユーモアを手話を実際に使う人以外にも広く知ってもらい、手話とろう者に近しさを感じてもらう効果。結果として、聴覚以外には異なることが無い聴覚障害者と健常者のコミュニケーションが円滑になることで、聴覚障害者の社会進出の促進が期待される。
千葉大学構内のAereCafeにて、2020年1月26日に制作物の展示および体験会をおこない、そこで作品を見た前後での、手話への印象の変化について16人に聞き取りをおこなって調査した。
手話への印象が、「表音文字のような覚えるのが大変なもの」という印象から「どちらかというと表意文字に近い、見たままで覚えやすいもの」むしろ、「案外身近で、何も知らなくても頑張ればわかるのかもしれない」という印象へ変化したという趣旨の感想が全体の63%から得られた。
また、駄洒落を由来にもつ手話や、ユーモアある由来を持つ手話を知り、「手話への印象が明るいものに変わった」という趣旨の感想が、全体の69%から得られた。
全体として「手話へのハードルが下がった」趣旨の感想を述べた人は、全体の87%にのぼった。
推薦者
株式会社東芝 井戸健二
お問い合わせ
- 企業名・担当部署名
千葉大学工学部デザイン学科コミュニケーションデザイン研究室
- 担当者名
橋本優希
shobon28k@icloud.com
- その他連絡先
桐谷佳惠(kiritani@faculty.chiba-u.jp)、張益準(ikjoon@chiba-u.jp)、下村義弘(shimomura@faculty.chiba-u.jp)
- 更新日
2020年05月16日