会報・人間工学専門家認定機構 Vol.77

Vol.77 2025年4月17日
会報・人間工学専門家認定機構広報担当

目次

報告

日本人間工学会「若手支援委員会」との連携企画

山田 幸子(本田技研工業株式会社)

人間工学専門家認定機構では、2022年以降、一般社団法人日本人間工学会の若手支援委員会(以下、JES若手支援委員会)と連携して人間工学に携わる学生や若手を対象にセミナーを開催しています。学生らがセミナーに参加し、同じ志を持つ仲間や先輩との交流を楽しむことが人間工学への関心アップや社会での実践、将来の資格取得につながると期待しています。

以下、2024年6月に開催した日本人間工学会第65回大会のカフェセミナーと、同12月に開催した日本人間工学会関東支部第54回大会でのランチョンセミナーの様子を報告します。

 

【報告1】
日本人間工学会第65回大会カフェセミナー 若手支援委員会×CPE共同企画『オールジャパン学生交流カフェ』ージブンとナカマの未来と人間工学ー

・開催日             2024年6月22日(土)
・開催場所          公立千歳科学技術大学(北海道千歳市)

全国から人間工学を学ぶ学生らが集まる、年に一度の貴重な機会が全国大会です。
機構およびJES若手支援委員会では、学生や若手につながる場を提供して学会参加の満足度を高めること、および学会参加の魅力を引き上げるヒントを得ることを目的にカフェセミナーを実施しました。
オールジャパンの名に相応しく、北は北海道から南は九州までの24名の学生や若手が参加しました。

「学会の魅力アップ」を話題としたグループトークは盛り上がり、1.5時間があっという間に過ぎました。多くの参加者から、交流自体が楽しかった、また参加したいと感想が寄せられました。
学会の魅力アップについては「宣伝が足りないのでもっと工夫して」「開催地のおすすめガイドがあるとうれしい」「学生がつられる仕掛け(昼食タイムの活用、お菓子)がほしい!」「分野が違う人もいるので人間工学の基礎勉強会をやってほしい」など多様な視点の要望をいただきました。

機構としては得た本企画でいただいた要望を具現化し、各支部大会・全国大会のセミナーで学生・若手が参加したくなる魅力的な場を提供していきます。


【報告2】
日本人間工学会関東支部第54回大会 学生・若手支援ランチョンセミナー
ナカマとツナがる人間工学 -仲間・先輩との交流とランチ ダブルで美味しい90分はいかが?-

・開催日             2024年12月7日(土)
・開催場所          産総研臨海副都心センター(東京都江東区)

前述の「日本人間工学会第65回大会カフェセミナー」で得た学会の魅力アップのヒントを踏まえ、日本人間工学会関東支部第54回大会でランチョンセミナーを開催しました。
学生参加者が食事を取りながら先輩の話や認定人間工学専門家資格の説明を聞き、その後、学生らによるグループトークを行いました。今回はグループトークの話題を限定しなかったことで、最初は堅い雰囲気でしたが、皆すぐに馴染み、就職や研究、地元トークなど人間工学以外の話題も織り交ぜながら盛り上がっていました。過去のセミナーに参加した学生が中心になって場を引っ張るなど、継続開催の効果も感じられました。つながる場の提供・人間工学への関心アップという狙いは十分達成したと思います。

人間工学の更なる普及には学生・若手の成長や協力が不可欠です。今後の支部大会・全国大会でも同様の機会を提供するなど、機構のイベントや資格制度を通じて、人間工学を実践する若手の育成に貢献し続けたいと思います。

報告

日本人間工学会支部大会での広報活動

第55回日本人間工学会中国・四国支部大会

松岡敏生(三重県工業研究所)

2024年11月30日(土)に、周南市立徳山駅前図書館で開催された第55回日本人間工学会中国・四国支部大会の「支部会員への情報提供」で時間をいただき、「人間工学専門家資格制度と資格取得のメリット について」と題して、資格制度の報告、資格取得のメリットやその活用方法などを説明しました。

現在、中国・四国支部にはプラクティショナーがいませんが、参加者より「1番目に取りたい!」という積極的なご意見をいただきました。資格取得の条件となる「専門教育2単位以上」または「企業研修などで専門教育2単位以上と同等の教育を受講」という定義にある「企業研修」の事例などについて質問も受けました。審査を経ての認定となりますが、例えば、中国・四国地域で開催された「KANSEI“感性”サロン」などは専門知識が修得できるため「企業研修」に該当するものと思われます。また、認定人間工学専門家(CPE)が講師等で協力している継続的な研究会活動なども専門教育に該当するケースが多くあると思います。

中国・四国地域では、ピックアップ がんばる人間工学家で取り上げられた公益財団法人中国地域創造研究センター(https://www.ergonomics.jp/topics_j100/interview_009.html)が主催する質感色感研究会等の活動実績もあり、今後のCPE取得が大いに期待されます。

このように広報活動を行うことで、制度改定に関するご意見を賜ったり、業務とCPEの関わりへの関心のきっかけとなっているかと思います。引き続き、仲間を増やすために、支部活動等を通じたCPE紹介を継続して参ります。

専門家の新規登録

  • 認定人間工学専門家 内山靖、谷直道(2025年2月)
  • 認定人間工学準専門家 松田大輔、田中梨緒、椎名ひろみ、阿久津友里、吉田伊吹(2025年4月1日認定)
  • 認定人間工学プラクティショナー
    佐藤真紗美(2025年2月1日認定)
    忻辰鴻、渡邉聖子、宮井裕生(2025年4月1日認定)

会員数

2025年4月1日現在

  • 認定人間工学専門家        210名
  • 認定人間工学準専門家       206名
  • 認定人間工学プラクティショナー 19名
  • シニア認定人間工学専門家      19名

編集後記

今号では、学生・若手の皆さんと人間工学の“つながり”を深めるセミナー企画や、地方支部での広報活動の様子をお届けしました。特に学生・若手に関する企画では、参加者からの声として楽しさと学びが両立する場へのニーズと期待が感じられ、私たちの活動の意義を改めて実感します。
これからも人間工学の魅力を広め、次世代の専門家育成につながる取り組みを続けてまいります。ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。(広報担当 松岡)

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